ビビッドな色にする時、根元は染めたくない話

どうも、虫明です。

先日、ロンドンブーツのお二人が初心にかえって1996年辺りの頃の赤髪と金髪になって会見を開いていました。

私も90年代の学生時代は専らTVっ子だったので「ガサ入れ」とか「Not 100」はほんとによく見てました。

ただその時の淳さんの根元からバッキバキの赤髪を見て、私は正直ちょっと違和感を覚えました。

そんな会見の数日前、たまたまなんですが私のInstagramでこんな投稿をしました

特に悪意もなく、また淳さん、担当の美容師の方を否定するわけではありませんが、私のいち美容師としてのスタンスとして【ビビッドな色にする時、根元は染めたくない】そんな話です。

何でビビッドな色が?

それは、【肌の馴染み】これに尽きます。

じゃ何でもそうかと言われると、そうではありません。

淳さんもそうですが美容師が2019年を振り返るでも話した様に、昨今はビビッドなヘアカラーが多く見られるようになりました。

そういうビビッドな色、原色に近い色などは日本人を始め黄色人種には似合いづらいというのが私の持論です

どうしても黄味がかった肌色とビビッドな色は馴染みにくいからです。

ベージュや白っぽいハイトーン、中明度のブラウンなどは根元からでも問題ないと思います。

逆に白人の方は、肌が透き通って色味が薄いので何色でも似合いやすいです。(ズルい!)

じゃどうするのか?

記事冒頭にもある通り【根元を少し染めないで残す】です。

地毛はやはりその人にとって一番自然な色です。

地肌との馴染みもいいです。

なので、根元に地毛が残ることによって髪全体の地肌への馴染みがよくなります。

これがないと、髪だけが別物みたいになってどうしても違和感があるんです。

先日の淳さんの会見を見てこの違和感を覚えた方は私だけじゃないはず。

根元を残して染めるのは大変?

そして、実際に根元を残すにあたってどう染めるか?なんですが、ここは結構腕の見せ所なんじゃないかと。

ただ単純に根元を開けて塗るのは簡単です。

しかし、それだけで塗ると我々の使用しているハケの先のラインが思いっ切り出ます。

髪の毛は一本一本、毛髪周期というものがあってそれぞれ伸びるスピードが違います。

ということは、例えば染めてから1ヶ月するとピッチリ塗っていた部分も少しずつズレてきてそのラインがぼやけます。

ということは、根元が少し伸びた様な雰囲気でつくっているのにそこがハケのラインでバツっと出ていると不自然なんです

自然をつくる

なので、「一本一本ずらして塗る」ということはしませんが、出来るだけハケのラインが出ない様に残すところをジグザグに塗る。(冒頭の男性は敢えて手で塗りました)

言うは易く行うは難し

残し具合やジグザグ具合は本当に感性なので難しいか簡単かでは言えませんが、そこを考えているかでどうかで仕上がりが変わってくるのは間違いありません。

持ちは悪くなるんじゃないの?

確かに根元を少し残すということは1〜3cm分程地毛の部分があります。

ということは、当然リタッチ部分(所謂プリンの状態)が見えてくるのも早くなります。

しかし、ここでひとつ考えたいのは【何故、プリンが気になるのか?】ということです。

先程言った様にパッチリ塗った根元が1ヶ月でぼやけつつ伸びてきます。

そうすると、染めた毛と地毛の境目がコントラストを保ったままプリンとなって現れます。

では、なるべくジグザグに塗った根元が一ヶ月経つとどうでしょうか?

ジグザグに染めた部分がさらにボケて地毛からのつなかりが自然になります

このちょっとしたことの積み重ねがパッと見に大きく影響するはずだと思っています。

ついでに言うと髪を動かすことで根元の黒の上にビビッドな色が乗っかるので立体感も出ます。

以上のことから私は特に彩度の高いカラーにする時は【根元の地毛を残して染める】を選択しています。

ブラウンベースのカラー

と、ここまでビビッドな色にする時のことを書きましたが、中明度のブラウンベースのヘアカラーやその他の色にする時もひとつ気にしていることがあって、それは

自然光はどこから当たっているか

ということです。

適当にStockから拝借した写真ですが、上の画像を見て分かる通り、普段照明(日光、蛍光灯など)は上から降ってきます。

自然な雰囲気を撮る時にバウンス(天井に光を反射させるライティング)などを使うのはこの為です。反対に所謂煽りライトが不気味に映るのは不自然だからです。

すると、頭頂部は光が当たって照らされていて、逆に頬骨辺りから下は暗くなってしまいます。

例えばボブで考えた時、頭頂部の髪の明るさと毛先の明るさが同じであれば、光が当たる頭頂部の髪の方が明るく見えます

毛先が暗く見えると、特に肩下以上の長さの髪型は重い印象になるのでバランスがいいとは言えません。

勿論我々の眼は視界の条件から無意識に光の入射角を認識するので、それを差し引いた上で色の判断を頭の中でしますが、それでもパッと見の印象で毛先が重く見えるのは髪型が良く見えにくいです。

なので、上のブリーチ程コントラストはつけませんが、中明度のカラーの場合でも少し根元付近は暗めに染めます

こうすることで普段のパッと見のバランスが良くなり、また根元が伸びてもプリンが目立たなくなります

例えシンプルな中明度のカラーでもクオリティは全く変わると思います。

最後に

まぁ、そんな感じで私自身、感覚でつくる美容師ではなく細かいことを考えながらつくっています。

いつも思うことは【小さな積み重ねが全体の印象をつくる】ということです。

今こうしている画面も一つ一つの色を持ったピクセルの集合体の様に。(うざい)

最後までお読み頂きましてありがとうございました。