【落語】志ん朝オススメ3ネタ

どうも、虫明です。

今回は以前【落語は聴いた方がいい】でお話した古今亭志ん朝のオススメの噺を3つ紹介しようと思います。

古今亭志ん朝とは?

前述の記事にも書きましたが、昭和の落語若手四天王の一人です。

クラシックというかスタンダードというか、「これだこれ!」という正に【THE落語】が聴ける古典落語の噺家です

ほんとに江戸時代の庶民の光景が目に浮かびます。

そんな志ん朝の私が個人的に大好きな噺を3ネタご紹介しようと思います。

古典落語は予めあらすじを予習しておいた方が絶対に面白いので大体の概要も書いておきます

お見立て

吉原遊郭の喜瀬川花魁の太客である杢兵衛(田舎の金持ち)は花魁に惚れ込んで、通い詰める。ところが花魁は杢兵衛の相手をするのが次第に嫌になり、ある日牛太郎(店でお客さんの世話をする若い衆)の喜助に「相手をしたくない。」と駄々をこねる。そうは言っても客である杢兵衛にそんなことは言えない。なので花魁は病に倒れたので今はいないと杢兵衛に伝える様、喜助にお願いをする。喜助が杢兵衛その旨を伝えると杢兵衛は「ではお見舞いに行こう。」と言い出し、喜助は大慌て。花魁にどうしようかと相談すると、今度は花魁が「花魁は死んじゃったって言いなよ!」と、とんでもないことを言い出す。困り果てた喜助だが、どうにか下手な芝居で花魁が死んだことを伝えると、杢兵衛は「じゃ墓参りに行くべぇ。」もう後には引けない喜助は杢兵衛と一緒に有りもしない花魁の墓参りに行くのだが…

私が初めて聴いた落語ですが、ほんとにTHE落語な滑稽噺です

ある意味、落語の入り口としては話の流れも落ちも分かりやすいのでとてもいいと思います。

こういうくだらないけど、それがどうにかまかり通る様な江戸ののんびりした噺が本当に面白い。

そして、個人的なこの噺の見どころはわがままな花魁を演じる志ん朝の声ですね。

花魁の少しくたびれた様な、でもどこか色っぽい、そんな女性の声の艶の出し方がすごい

聴いていたら段々本当の女性がやってる様に聴こえてくるんです。

鰻の幇間

夏のある日、太鼓持ちの一八は客を捕まえてどうにか昼飯にありつこうとするが、なかなかうまくいかない。そうすると、向こうから浴衣がけの男がこっちへやってくる。「よぉ、師匠。」と声をかけられるが、一八は誰だか思い出せない。しかし、何とか食い扶持を見つけたと、記憶も曖昧なままに「どうも!旦那、その説は…」と返事をする。旦那はこれから湯に行くので長居は出来ない、軽く飯でも食うかと一八を鰻へ誘う。一八は喜んでついて行くが、連れて行かれたのは薄汚い鰻屋。一八は色々と引っかかるところはあるが、こういう乙な店は鰻が旨いんだと自分に言い聞かせ、誰かも分からない旦那に鰻をご馳走になるが…

江戸や明治にかけては幇間、別名太鼓持ちという客の酒席などに同席し、即興芸や会話で盛り上げて、ご祝儀や食事をご馳走してもらい生活する職業がありました。

現在では日本でこの幇間を生業としている方は数名しかいないそうです。

上のお見立てとも同じですが、こういう呑気で間抜けな噺は古典落語の醍醐味じゃないでしょうか。

あとは、この鰻屋で一八が旦那の機嫌を取る為に色々と話したりお酌をしたりするのですが、この描写が凄過ぎる

耳で聴いているだけでもそのやり取りがわかるんですよ。

あっ、はい、はいはいはい、ちょちょっ、いやぁみたいなこれと言ったことは何にも言ってないんですが仕草が伝わってくる。

最近はとりあえず落語を聴きたい時はまずこれを聴きます。

それ位お気に入りの噺です。

芝浜

魚屋の魚熊(以下、熊)は腕は立つのだが、大の酒好きで、しくじりが多い。やけになって仕事もほっぽらかしていたある日、女房に叩き起こされて「今日こそは仕事に行ってちょうだいよ!」嫌々ながら送り出され、芝浜の魚市場へ向かう。やっとの思いで着いたが、辺りはまだ夜が明けたばかりで誰もいない。しょうがないので浜辺で顔を洗ってると革財布を見つける。中には五十両。大慌てで帰って、仲間とその金で豪遊する。翌日、女房に「昨日の支払いはどうするの?」と聞かれ、「あの金があるだろ。」と熊さん。しかし「そんな金ないよ。あんた酒の飲み過ぎで夢でも見たんだろ!支払いどうすんのさ!」と女房に一喝され、困った熊は…

これはもう本当に人情噺の名作中の名作ですね。

演じる噺家さんも多いです。

それだけ色んなパターンがあるのですが、私はこの志ん朝や談志の芝浜が好きです

どん底からのサクセスストーリーなので、現代にも応用しやすく芝浜の設定を変えて現代版もあったりします。

 

まとめ

  • 初めて聴くには【お見立て
  • 間抜けな噺で笑いたいなら【鰻の幇間
  • 人情噺でしっぽりいきたいなら【芝浜

私のオススメ落語ネタ3選でした。

ありがとうございました。

落語の最新記事8件