落語は聴いた方がいい

どうも、虫明です。

今回は昨今でも人知れず盛り上がってきている落語について少しお話ししたいと思います。

ハマったきっかけ

落語を好きになったのは元々北野武ファンである私が、2012年ビートたけし著の「間抜けの構造」をたまたま手に取ったのがきっかけでした

内容は様々な「間」について書かれているのですが、その中に落語の「間」に関して書かれていて、その時から興味を持ち始めました。

元々漫才やお笑いは好きで、職業柄お話しすることも多いので、会話の「間」みたいなものは普段から少し意識をしていました。

そして、うろ覚えですが、確かTVでたけしが古今亭志ん朝の「お見立て」を初めて聴いた時、おったまげたと言っていたのです。

私はすぐさまYouTubeを開いて古今亭志ん朝を調べました。(志ん朝は2001年に亡くなられたので、記録した映像や音源でしか聴くことができません。悔やまれる。)

映像ではありますが、初めてちゃんと聴く落語は想像を遥かに超えて面白く、また「芸」であると心底思いました

落語とは?

みなさんご存知だとは思いますが、落語とは日本の伝統芸能の話芸です

噺家一人で物語の登場人物を何役も演じ、扇子と手拭いをあるゆるものに見立てて後は語りと身振り手振りのみ。(例外あり)言わば、ほぼ噺家の身体一つです。

私は落語が究極にミニマルでストイックな芸だと思っています。その限られた芸で聴衆の想像をかき立て、楽しませなければなりません。長い噺だと1時間も。

それだけ噺家のスキルが問われます。

落語は大きく分けて

  • 江戸落語と上方落語
  • 古典落語と新作落語

があります。

江戸落語と上方落語

早い話が関東と関西です。

基本的な噺の流れは同じですが、上方だと「はめもの」と呼ばれる効果音的なものがあったり、勿論話し方は関西弁です。

あとは同じ演目でも、江戸落語での「そば」が上方だと「うどん」に変わっていたり、江戸っ子の見栄や関西の商人のケチがクローズアップされたりと細かい設定が違ったりします。

古典落語と新作落語

逆にこちらはハッキリと定義するのは難しいのですが、古典落語は江戸から明治にかけて原型が出来上がったものを指し、新作落語は戦後に出来上がったものを指すことが多いそうです。

新作落語は日々噺家によって新しい物がつくられています。

逆に古典落語は現存する演目が全てで、少しずつ演じ方が変わったりしますが、大きな流れは大体同じです。

また、古典落語は同じ演目でも違う噺家によって印象が大きく変わったりします。

私のオススメ

その中でも私がオススメしたいのは「江戸落語」の「古典落語」です

上述の様に古典落語は基本的に大きくは変わりませんが、「くすぐり」と呼ばれる噺を少しいじる噺家の遊びだったり、同じ噺家でも最盛期の軽快なテンポでトトトンと見事な話芸が聴けたり、晩年だと少しスローで燻し銀の深みがある噺になったりするのも非常に面白いです。

まぁ、そんな風に好きになっていったのも全ては最初に古今亭志ん朝にどハマりしたのがきっかけなんですが…

古今亭志ん朝

古今亭志ん朝とは昭和に活躍した噺家で「落語若手四天王」の一人です。(他には笑点の司会でお馴染みの三遊亭圓楽、立川談志、春風亭柳朝)

何が良いって、全部良いんですが(説明になってない)個人の主観としては、「江戸の世界が見える」噺家だと思っています。

情景が目に浮かぶんです、本当に。

志ん朝の噺を聴いていると江戸の文化や街並みなどが頭の中に描かれていく様な、そんな感じです。

江戸っ子は元来ちょっとそそっかしくて、見栄っ張りでそういう気性に志ん朝の落語のテンポがピッタリなんです。

また、声に艶があって女性を演じる時も素晴らしい。

落語の性質上、吉原(花街、遊郭の集まる場所)の女性が出てくることが多いのですが、その少し疲れた、でも色っぽい女性なんてのも物凄く合います。

勿論他の噺家も本当に素晴らしい方はいらっしゃると思いますが、(志ん朝以外はつまみ食いなのでえらそうなことは言えない)私は完全に志ん朝推しです。

落語を聴いてから

とは言え、専らイヤホンで聴くことがほとんどですが、昔子供がラジオで落語を聴くのが楽しみだったということがよく分かります。耳だけでも十分楽しめます。

そして、やっぱり落語を聴くようになって、会話の「間」や、話し方、エピソードトークの導入の仕方など、相手を「引き込む」話術ってすごいな、と。

上手い噺家になると、出囃子が始まって会場に入った瞬間に客席を見て、今日の客層に合う演目をその場で決めるそうです。

また、お客さんが笑っている間は一旦噺を止めて笑いが収まるかどうか辺りにまた話し始める。

その絶妙な間の取り方で噺のテンポが崩れずにお客さんにも大爆笑してもらう、とか。

落語は1:nの芸だし、会話ではありませんが、こう言った間の取り方は1:1の会話にも活かせると思います。

現代のオンラインの世の中でもテキストベースだけではなく、オフラインの会話、オンライン上でも会話することはなくならないです

そういう時に相手にとって心地良い会話の空間をつくることは寧ろ今の時代にはより必要なのかなと思います。

勿論落語が全てではないし、世の中に話の上手な方はたくさんいますが、娯楽として聴きながら会話のスキルも上達(それを踏まえて話さないとダメですが)していける落語は本当にオススメです。

次はオススメの噺でもしようと思いますので、またお付き合い下さい。

それではまた!

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